保険加入時には保険会社から求められる告知事項に対してありのままの事実を正確に伝える必要があります。
と言われても
等々、告知書の質問内容に迷われる方も多いかと考えます。
2010年4月1日の新保険法の施行によって保険加入時の告知義務は「自主申告義務」から「質問応答義務」に変更されています。
保険契約者または被保険者になる者は、生命保険契約の締結に際し、保険事故の発生の可能性(危険)に関する重要な事項のうち保険者になる者が告知を求めたもの(告知事項)について、事実の告知をしなければならない。
つまり、告知書にて質問されている事以外は申告(回答)する必要がない一方、より質問の内容を正確に理解する必要があるとも言えます。
そこでこのページでは主に保険加入時(生命保険や医療保険)に必要となる「告知書」の質問内容について解説を交えて紹介していきます。
保険加入手続きで告知書の質問内容について疑問がある方や、既に加入手続きをしてしまった後でも告知した内容が問題なかった気になっている方などがいましたら是非参考にしてみてください。
保険加入における告知義務とは
医療保険に加入する場合は、希望すればだれでも加入できる訳ではなく、保険会社側は3つの基準によって契約する人を選んでいます。
上記の基準に合う人だけを加入許可しており、これによって「契約者間の公平性」を維持しています。
加入条件についてはこちらもよければ参考にしてみてください。
「身体上の危険」では加入予定者へ告知を求める事で健康状態を確認し、加入承諾の有無、契約条件等を決定しています。
加入予定者は告知書に書かれている質問にありのままに応える必要がありこれを「告知義務」と言います。
告知に嘘や虚偽の申告をすると
告知書の質問に対して、「嘘」や「虚偽」(=事実と異なる)内容を記載した場合は後ほど虚偽の申告である事が発覚した時点で「告知義務違反」となります。
告知義務違反となると契約が解除されて、契約自体が無効となってしまう場合もあります。
告知義務違反についてはこちらで詳細に紹介しています。
告知の内容を元に調査
なお、保険加入時など告知をした時点では保険会社はその内容を調査しません。
告知の内容を調査するのは契約後に入院や手術など給付金請求などがあった際、提出された医師の診断書と加入時の告知書から「告知義務違反」が疑われる場合に調査となります。
こちらは給付金請求の手順にて紹介しています。
保険加入時(生命保険や医療保険)で告知する主な質問内容
では一般的に保険の告知書にて質問される主な内容を紹介します。
- 過去3か月以内に、医師から・検査・治療・投薬をすすめられた事があるか?
- 過去5年以内に【特定の病気やけが】※で診察・検査・治療・投薬を受けたことがあるか?※保険会社によって指定する病気やケガは異なる
- 過去5年以内に手術を受けたことがあるか?
- 過去2年以内に健康診断書・人間ドッグで異常の指摘【要再検査・要精密検査・要治療】を指摘されたことがあるか?
- 現在妊娠していますか?(女性のみ)
※保険会社によって多少に違いはありますが主に上記のような内容が質問にあります。
最近の健康状態についての質問
誰のすすめか?
直近3カ月以内の入院や手術を進めているのは誰か?
当然、「医師」になります。この医師は医者を指し歯科医師は含まれないのが一般的な解釈ですが、保険会社によっては医師(=歯科医師も含む)とする場合もありますので気になる方は該当の保険会社に確認するようにしてください。
診察を受けたら告知該当か終了していれば不要か
保険会社や保険商品によって質問内容が微妙に異なるケースがありますが、3カ月以内に診察があれば全て告知該当するケース。
診察や検査をすすめられていても治療が終了している場合は除く。となるのかは各保険会社の告知書の質問内容で異なります。
直近の3カ月以内に医師のすすめられた場合を指します。なお「検査のすすめ」とは健康診断・人間ドック・医療機関を受診した際に、何かしらの病気などの疑いがあり「診断確定」の為に再検査や精密検査をすすめられたことを言います。
検査のすすめについて
なお医師から「検査を受けに来るように」すすめられたけど、「行っていない」場合なども「すすめられた」というのは事実なので該当します。
直近の健康状態の質問には
過去5年以内での健康状態について
過去5年以内の健康状態の確認として主に以下の質問がされるケースが多いです。
- 過去5年以内に病気やケガで、7日以上の診察・検査・治療・投薬・入院をしたことがあるか?
- 過去5年以内に病気やケガで手術をしたことがあるか?
- 過去5年以内に特定の病気や異常で診察・検査・治療・投薬を受けたか?
7日以上の診察・検査・治療・投薬・入院について
7日以上とは通院回数や入院日数ではなく初診から終診日(完治)までの期間が7日以上あるかどうかが問われています。
以下のようなケースは告知対象となります。
手術の実施について
手術はわかりやすく、開腹手術や開胸手術以外などは当然含まれます。
一方で帝王切開や内視鏡、レーザー・カテーテルなども手術になるので注意して下さい。
良性のポリープなども検査当日に合わせて摘出した場合でそれが手術であった場合などはしっかりと確認するようにしてください。
こちらも過去5年以内で手術行為があればわかりやすくその手術名や実施日などを正しく申告するようにしてください。
過去5年以内に特定の病気や異常で診察・検査・治療・投薬について
保険会社によって異なりますが列挙されている特定の病気や異常にて過去5年以内に一度でも診察などを受けている場合は診察完了は問わず告知対象となる事に注意してください。
経過観察中などもこれに含まれます。
心臓・血圧 | 高血圧、不整脈、狭心症、大動脈りゅう、心筋こうそく、心臓弁膜症、先天性心疾患、心雑音、心筋症 |
脳・精神・神経 | 脳内出血、自律神経失調症、脳こうそく、アルツハイマー病、くも膜下出血、パーキンソン病、統合失調症、ノイローゼ、うつ病、てんかん、双極性障害(躁うつ病)、アルコール依存症、心身症、不眠症、神経症、知的障害、パニック障害、認知症 |
肺・気管支 | ぜんそく、肺気腫、慢性気管支炎、肺結核、慢性閉塞性肺疾患、(COPD) じん肺過換気症候群、気管支拡張症 |
胃腸・すい臓 | 胃かいよう、腸へいそく、十二指腸かいよう、クローン病急性、すい炎、かいよう性大腸炎、慢性すい炎、過敏性大腸炎 |
肝臓・胆のう | 急性肝炎、慢性肝炎(肝炎ウイルスキャリアを含む)、肝硬変、胆石、胆のう炎 |
腎臓・尿管 | 急性腎炎、水腎症、慢性腎炎、腎臓結石、ネフローゼ、尿管結石、腎不全、前立腺肥大、のう胞腎 |
目・耳・鼻 | 白内障、眼底出血、緑内障、中耳炎、ぶどう膜炎、メニエール病、角膜炎、突発性難聴、円錐角膜、ちくのう症(副鼻腔炎)、角膜かいよう、鼻中隔弯曲症、網膜色素変性症、網膜はく離 |
がん・しゅよう | がん(上皮内新生物を含む)、肉腫、白血病、しゅよう、ポリープ、異形成 |
女性の病気 | 子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣のう腫、乳腺症、不妊症 |
その他 | 糖尿病、紫斑病、脂質異常症(高脂血症)、甲状腺腫、高尿酸血症(痛風)、甲状腺機能亢進症、リウマチ性疾患 、甲状腺炎、こうげん病、変形性関節症、貧血、椎間板ヘルニア、痔 |
過去2年以内での健康診断について
過去2年以内に実施された健康診断書または人間ドッグの結果について告知を求められます。
健康診断・人間ドックは勤務先等で定期的に実施する「定期健康診断」「健康診査」「生活習慣病予防検診」等に加え、自主的に受けた「人間ドック」「脳ドック」「がん検診」等も含まれるケースが一般的です。
「要経過観察」など次回の明確な指示がない場合など見落としがちですが、しっかりと確認して告知をしましょう。
保険加入時における健康診断についてはこちらでも紹介していますので、ご確認ください。https://iryouhokenselect.com/medical-checkup
なお、過去の検査結果より、異常の指摘があったとしても、再検査や最新の健康診断にて「問題無し」となった場合には加入手続きが可能になる可能性が高いです。
身体の障害について
視力の障害
生命保険では死亡保険金に加え高度障害保険金が組み込まれており「両眼失明」が高度障害保険金の支払事由に該当する為、保険会社は視力障害についての告知を強く求めます。
視力は裸眼ではなく、眼鏡、コンタクトレンズ、眼内レンズ等を使用した矯正視力を指します。
聴力の障害
聴力障害に関しては明確な基準は設定されていません。
ただし高度障害保険金では「両耳の聴力を全く永久に失ったもの」が支払事由にある事からも何らかの聴力障害は告知対象となります。
言語障害
高度障害保険金の支払い対象には「言語の機能を全く永久に失ったもの」がある為、言語障害の有無を問われています。
の3つの場合になります。
そしゃく機能の障害
「そしゃくの機能を全く永久に失ったもの」も高度障害保険金の支払い対象となる為、こちらも関連する機能障害の有無が問われます。
なお「そしゃくの機能を全く永久に失ったもの」とは流動食以外のものは摂取出来ない状態になります。
背骨(脊柱)・手・足・指の欠損または機能障害
手・足・指の欠損や機能障害、背骨(脊柱)の変形や障害がある人は障害の程度を正確に伝える材料として障害者手帳の写しなども併せて交付するのがおすすめです。
現在妊娠していますか?(女性のみ)
妊娠の場合は加入できないわけではなく、「妊娠○ヵ月」以内であれば加入できるという事が一般的です。
母子手帳に記載されている「妊娠日」を基準に
となります。
どこまで告知するのか?
告知書で聞かれている質問に関して、そのまま回答できる項目もあれば、答える必要があるのか気になる場合もあるかと思います。
そこでよく質問に上がるような部分と回答例を紹介します。
告知項目にないことを告知する必要があるか?
まず、前提として告知書で「質問されていない事」を告知する必要はありません。あきらかに該当しないと思うものは告知不要です。
ただし、どちらかはっきりしない場合にはありのままにすべて記載するというのが考え方としては正しいです。
整形外科に腰痛の治療で通っている場合
整形外科医は「医師」です。
その前提で告知に該当するものがあれば必要に応じて告知を行います。
整体、接骨院、マッサージなどの場合
「民間療法」に関しては告知不要となる場合がほとんどですが、民間療法の指示が「医師」によるものである場合はこちらも告知対象となります。
腰椎椎間板ヘルニア等、診断名のある腰痛に関しては「条件付き承諾」となる可能性も高いので該当する方はチェックしてみてください。
咳喘息の場合
医師よりはっきりと「喘息」などと病名を言われているのであればそれを記載します。
「喘息の症状に近いかも。。。」のようなはっきり診断されていない場合にはそのことをありのままに記載します。
関連性の高いもので一時的な「気管支炎」や「慢性気管支炎」など病名によって基準が変わるケースもありますので、正確に告知しましょう。
アトピーの場合
軽度のアトピーなどで症状がほとんど出ない方も多く、年に数回薬をもらっている程度でも告知が必要かどうか悩まれる方もいますが、ほとんどの保険会社で引き受け基準に「アトピー」は含まれます。
「アトピー」「アトピー性皮膚炎」が即引き受け不可というわけではありませんが、治療期間や、服薬名などしっかりと記載しましょう。
アトピー関連の保険加入時の告知ではこちらでも解説しています。
不眠症の場合
必ず告知が必要です。
世間の認識ではたかが「不眠症」という人もいますが、精神疾患との関連性も高く、症状の程度や服薬している薬によっては通常の生命保険、医療保険の加入が出来ない場合も十分考えられます。
不眠症の方の保険加入に関してはこちらのページでも解説していますので気になる方は合わせてご確認ください。
市販の薬を飲んでいる場合
医師の処方箋が必要ない市販薬をドラッグストアなどで購入して飲んでいる場合には告知は不要です。
ただし、その前に医師の診察などがあった場合などはそのことについては状況に応じて告知します。
虫歯の治療などの場合
一般的な歯科治療は告知に該当しません。
ただし「口腔外科」領域の診療を実施している場合には告知が必要です。
告知する事を忘れてしまった場合
意図的に告知しなかったわけでなく、つい忘れてしまった場合などもあるかと思います。
この場合には、「追加告知」という方法で再度、審査をしてもらうようにしましょう。
契約中の保険会社のコールセンターや担当者に告知忘れを伝え、必要書類をもらって対応します。
正確な情報を伝える告知書の書き方
ではここからは正しく告知をする(=正確な情報を保険会社に伝える)為の告知書の書き方についてそのポイントを紹介します。
つまり記載されている内容の情報が不足していると「告知不十分」として不備になったり引き受けが不利になる場合もありますので、これらを踏まえて正確にご自身の健康状態を伝えましょう。
病名や部位の正確な記載
「病名」や「どこの部位」のケガなのかが不明確だと正確なリスクを図ることができません。
検査結果数値の正確な記載
血圧や血糖値、コレステロール値などが関連する病気などの場合には、これらの数値をより正確に記載して判断しやすいようにします。
服薬の正確な記載
服薬中や過去に服薬があった場合なども「薬名」だけを記載するのではなく
というようによりわかりやすく告知します。
告知の内容がゆるい【少ない】保険商品はあるか?
最後に告知の内容がゆるい(=少ない)(=やさしい)保険があるかどうかという点ですが、保険会社による大きな違いはないと考えてよいと思われます。
保険は金融商品であり、金融庁の管轄の許可事業となります。
その為特定の保険会社のみ他と全く違く基準の保険商品などを販売するという事はあり得ません。
各保険会社の引き受け基準について
ただし、すべての保険会社が同じ引受基準を採用しているわけではなく告知書の質問項目も微妙に異なります。
仮にある医療保険の申し込みが告知上、「不承諾」となった場合でも他社では加入できる場合なども多々あり得ます。
これらの状況を踏まえると、問題を解決する一つに複数の保険会社の商品を取り扱う無料相談サービスを活用し、信頼できる担当者に出会う事が近道とも言えます。
引受基準緩和型保険について
また「引受基準緩和型保険」といって「持病があっても入れる」医療保険や生命保険も各社より発売されています。
保険料が通常タイプに比べて高いと思われがちですが、各保険会社より沢山の商品が出回っている事で通常タイプと比較して大差ない保険料になる事も多々あります。
引受基準緩和型医療保険についてはこちらで紹介しています。
https://iryouhokenselect.com/relaxation
このページのまとめ
保険加入における告知はその後の契約を有効に機能させる為にもしっかりと行う必要があります。
改めて不安になった方や、見直しの必要がでてきた場合などは、多数の保険商品を取り扱う無料相談の代理店などでプロの保険外交員の方へ相談するのが最もおすすめです。
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