このページではアフラックのがん保険「21世紀がん保険」の保障内容や具体的な見直し方法について解説していきます。
21世紀がん保険は2000年12月から発売開始され2009年3月まで取り扱われていたアフラックの主力がん保険になります。
それまでの同社のがん保険では悪性新生物のみを対象として上皮内新生物が保障対象外となっていましたが、21世紀がん保険からは共に保障対象。
現行で各保険会社より発売されているがん保険により近いがん保険であるとも言えます。
とはいえ、それぞれの保障内容単位では見直しに繋がるポイントなども存在しますので、詳細を解説していきます。
21世紀がん保険に契約中の方で保障内容の確認や見直しを検討している方は是非ご確認ください。
アフラック「21世紀がん保険」契約内容
21世紀がん保険は冒頭でも説明したように2000年12月から2009年3月まで発売されたがん保険になります。
保障期間は終身。保険料払込期間も終身となる為、掛け金を支払い続ける限り保障が一生涯続く仕組みになります。
保障内容はそれまでのがん保険同様に1口、2口と口数単位で保障内容が予め決まっている仕組みになります。
微妙に保障内容が異なる形で21世紀がん保険(〇〇プラン)と言う風に名称が異なるものが複数存在します。
当サイトでは「21世紀がん保険」の中でも代表的なスペシャルプランを元に解説してきます。
ご本人 | ご家族 | |
---|---|---|
販売開始 | 2000年12月 | 2000年12月 |
販売停止 | 2009年3月 | 2009年3月 |
保険期間 | 終身 | 終身 |
保険料払込期間 | 終身 | 終身 |
診断給付金 | 100万円 (上皮内新生物10万円) |
60万円 (上皮内新生物6万円) |
入院給付金 | 1万円 | 6千円 |
通院給付金 | 1万円 | 6千円 |
特定治療通院給付金 | 5千円 | 3千円 |
手術給付金 | 20万円 | 12万円 |
がん高度先進医療給付金 | 6~140万円 | 3.6~84万円 |
在宅療養給付金 | 15万円 | 9万円 |
在宅緩和ケア初期給付金 | 10万円 | 6万円 |
在宅緩和ケア給付金 | 5千円/1日 (最高180日) |
3千円/1日 (最高180日) |
死亡保険金 | 10万円 | 6万円 |
死亡払戻金 | 5万円 | 3万円 |
21世紀がん保険の契約のポイントを簡単にまとめると
と言った点が上げられます。
それまでの新がん保険やスーパーがん保険では65歳以上で保障額が半減するような仕組みがありましたが、21世紀がん保険からは年齢による保障内容の変更がありません。
また現行の先進医療特約では自己負担した技術料と同額が保障される事が一般的ですが21世紀がん保険の場合は最大でも140万円と上限が設けられています。
解約返戻金もそれ以前のタイプがある程度まとまった返戻金を受け取れましたが21世紀がん保険からは死亡保険金も少ない事から解約返戻金があってもごく僅かとなります。
アフラック「21世紀がん保険」の保障内容の詳細
各保障内容に関しては個別に解説していきます。
診断給付金について
初めてがん(=悪性新生物)または上皮内新生物と診断されたときに診断給付金がそれぞれ一回ずつ払われます。
それまでのアフラックのがん保険(新がん保険)や(スーパーがん保険)ではがん(悪性新生物)のみが対象で上皮内新生物は対象外でしたが21世紀がん保険から上皮内新生物も保障対象となりました。
また21世紀がん保険以前のタイプは65歳以上は保障が半減(診断給付金100万円→50万円)していましたが、年齢による保障の減少もありません。
なお支払回数がそれぞれ1回ずつなので、最初は上皮内新生物が見つかり診断給付金10万円を受け取った後に2、3年後に悪性新生物が見つかった場合は100万円を受け取る事が可能です。
診断給付金額の最大合計は110万円となります。
入院給付金について
入院給付金はがん、上皮内新生物による治療を目的とした入院に対して1日目から日数無制限にて給付金が支払われます。
通院給付金について
21世紀がん保険の通院給付金は連続5日以上の継続入院の後の治療を目的とした通院が支払い対象となります。
日数制限は連続5日以上の入院後から365日以内で最大60日期間となります。通算で700日が上限となります。
1個前のスーパーがん保険では連続20日以上の入院が条件且つ、1通院の最高が30日間までであることを踏まえると大分条件が緩和された形になります。
特定治療通院給付金について
更に21世紀がん保険では通常の通院給付金とは別に「特定治療通院給付金」という形で通院を保障する仕組みが用意されています。
特定治療なので入院日数の有無は問わずがんの治療を目的とした次の3つが対象となります。
- 放射線治療
- 抗がん剤治療
- ホルモン療法
上記はがん(=悪性新生物)のみを対象に通算で120日間までが対象となります。
- がん(悪性新生物)のみ対象。上皮内新生物は対象外。
- 放射線治療、抗がん剤治療、ホルモン療法が対象。
- 経口投与による抗がん剤治療の通院は対象外。
- 手術の為の通院は対象外。
- 通院給付金と特定治療通院給付金は併用されずどちらかが適応。
手術給付金について
手術給付金はがん、上皮内新生物を対象として約款で定める所定の手術を対象に支払い回数無制限で一連の手術は14日間に一回となります。
所定の手術とは保険適応(公的保険制度=現役時に窓口3割負担)となるがん治療の為の手術が対象と判断して問題ありません。
また一連の手術とは最初に「A手術」を行い、その続きとして「B手術」を行う場合は連続する一連の手術とみなし、14日間以内では1回となります。
21世紀がん保険は放射線治療給付金が、手術給付金の中に含まれており悪性新生物根治放射線治療として50グレイ以上の照射を対象に60日に1回の間隔で回数無制限で保障されます。
定期的に放射線治療を実施する場合は約2か月に一回のペースで手術給付金から給付金を受け取れる仕組みになります。
がん高度先進医療給付金について
がん高度先進医療給付金は保険適応外の先進医療を受けた場合に先進医療の技術料に応じて本人(6万円~140万円)。ご家族(3.6万円~84万円)の範囲で給付金が支払われる仕組みになります。
通算の金額上限はなく、1年に5回までの支払い回数上限となります。
先進医療特約との違い
昨今の一般的な医療保険やがん保険の「先進医療特約」では自己負担した先進医療の技術料の全額が先進医療特約から支払われるケースがほとんどで通算2000万円まで保障という仕組みになります。
またアフラック内では先進医療特約の重複契約ができませんが、21世紀がん保険の「がん高度先進医療給付金」は新たに医療保険やがん保険に「先進医療特約」を追加しても重複扱いにはなりません。
契約例 | 重複扱い |
医療保険(先進医療特約有り)+がん保険(先進医療特約有り) | 複数契約となりNG |
21世紀がん保険+医療保険(先進医療特約有り) | 先進医療の複数契約にならない |
※重複NGはあくまでアフラック内の先進医療特約の話です。
在宅療養給付金について
在宅療養給付金はがん、上皮内新生物共に20日以上の継続入院後に医師の指示により「在宅療養」となった場合にその退院時に本人15万円。ご家族9万円(1口の場合)の給付金を受け取ります。
在宅緩和ケア初期給付金
がん(悪性新生物)で余命宣告(6ヶ月以内)後の医師の管理下で在宅末期医療(在宅ターミナルケア)を受ける場合に一時金として本人10万円。ご家族6万円が給付されます。
在宅緩和ケア給付金
更に在宅緩和ケア給付金は上記の在宅末期医療が続き限り1日につき本人5000円。ご家族3000円を最大180日間(約6カ月)を上限に給付する仕組みになります。
死亡保険金について
がんを直接の原因として死亡した場合に死亡保険金として本人15万円。ご家族9万円(1口の場合)が払われます。
死亡払戻金について
最終的にがん以外の病気やケガにて死亡した場合は「死亡払戻金」が給付されます。
※解約払戻金有りのタイプが対象となります。
特約MAX21について
21世紀がん保険には「特約MAX21」としてがん保険に医療保障を付加されているケースがあります。
なお21世紀がん保険に「特約MAX21」が元から組み込まれたプランを「新・健康応援団」または「健康応援団」という名称で発売しています。
特約MAX21の保障内容
特約MAX21は病気やケガの入院に対して1日5000円。1入院の日数限度は64日、124日、184日タイプのどれかである事が多いです。
手術給付金は内容に応じて5万円・10万円・20万円となります。
特約MAX21の詳細はこちらで解説しています。気になる方は合わせてご確認ください。
21世紀がん保険の見直し方法
ここからは具体的に21世紀がん保険の見直し方法について解説してきます。
がん保険として上皮内新生物も保障対象となったことからも他社を含めある程度現行のがん保険に近しいと言えるがん保険ではありますが主な見直し方法としては以下2つになります。
21世紀がん保険に保障を強化する場合
21世紀がん保険は最初から診断給付金や手術(放射線治療含む)、通院保障などが組み込まれていますがそれぞれの支払の条件や日数制限などもあり現行のがん保険と比べると一部劣る部分があります。
具体的には以下の3つの保障強化が考えられます。
- 通院治療を強化
- 抗がん剤治療を強化
- 先進医療を強化
通院治療を強化
21世紀がん保険は通常の通院給付金に特定治療通院給付金が組み込まれ、それまでのアフラックのがん保険に比べると通院保障が強化されています。
ただし支払の条件や日数に制限があります。
通院給付金 | 特定治療通院給付金 | |
条件 | 連続5日以上の入院後の通院 | 放射線、抗がん剤、ホルモン療法の為の通院 |
日数 | 1通院最大30日間まで(通算700日) | 通算120日まで |
例えば、入院が3日で終了した場合は以後の通院に対して「通院給付金」は対象外となります。
また長期間に渡る通院治療を行う場合は上限日数をオーバーしてしまう可能性も考えられます。
昨今のがん保険では通院保障がより重要視されている傾向があります。
抗がん剤治療を強化
がんの代表的な治療として三大治療(手術、放射線、抗がん剤)が上げられ、がんを経験されている方の多くが三大治療を受けられていると言われています。
その為、昨今のがん保険では抗がん剤治療(ホルモン療法含む)のみに特化した保障を用意しているケースがあります。
21世紀がん保険でも特定治療通院給付金では「抗がん剤、ホルモン療法」による通院をサポートしています。
ただし「経口投与による抗がん剤の為の通院は除く」とあるため、口から投与する飲み薬は対象外となります。
抗がん剤、ホルモン療法に関しては必ずしも点滴等の「非経口投与」だけとも限りません。
がん保険における抗がん剤に関しては以下でも解説しています。
先進医療を強化
先述しているように21世紀がん保険のがん高度先進医療給付金は技術料に応じて上限(本人~140万円。ご家族~84万円。)があります。
必ずしもがん治療で全員が先進医療を行うとも限りませんが、がんの先進医療は「重粒子治療」など自己負担が高額(~300万円など)になるものが存在します。
これらの部分の保障を強化するという事に関してアフラックでは過去のがん保険の契約中の方を対象としたオプション的ながん保険を販売しています。
プランも3パターンくらいに分かれ、現在契約中のがん保険やご要望に合わせた保障の強化が可能です。
現在のアフラックのがん保険を契約したまま、保障を強化する場合は是非ご確認ください。
21世紀がん保険から新たながん保険への乗り換えする場合
アフラックのがん保険に契約中の方は必ずしも同社内で見直しをしないといけないわけではありません。
がん保険は現在、各保険会社より多種多様なプランが用意されています。
当サイトでは独自の評価基準を元におすすめのがん保険をランキング形式にて紹介していますので良ければ是非ご確認ください。
複数契約の口数変更
上記の保障内容の強化や他社のがん保険への乗り換えと併せて考えられるのが21世紀がん保険を複数契約している場合です。
例えば、2口契約している場合などは口数削減で2口から1口へ変更する事で保障内容と保険料を半額にする事が可能です。
これによりアフラックの新たながん保険の追加や他社のがん保険の追加契約など柔軟な見直しも可能です。
家族型から個人型への変更
同様に21世紀がん保険を家族型で契約している場合は本人を残し、ご家族は契約から抜ける事が可能です。
家族型から個人型に変更する事で保険料の減額に繋がります。
という事からもこの見直しを前もって行う事も有効です。
特約MAX21の解約
状況にもよりますが、主契約であるがん保障部分は残して医療保障である特約MAX21のみを特約解約する事も可能です。
例えば、医療保険は別に準備出来ている場合や、三大疾病保障を強化する為に最新の医療保険への加入を希望する場合などは有効です。
21世紀がん保険の解約について
最終的に21世紀がん保険を解約する事になった場合にいくつか抑えておくべきポイントがあります。
21世紀がん保険の解約返戻金について
21世紀がん保険は似たような名称のプランが複数存在する為、一律で案内する事が難しいのですが大きく「解約返戻金ありタイプ」と「解約返戻金なしタイプ」が存在します。
解約返戻金ありタイプの場合は解約時に解約返戻金が戻ってくるケースがありますが、これは「死亡保険金」部分の積立がそれに当たります。
死亡保険金は本人10万円。ご家族6万円と少額なので解約返戻金もそこまで大きな金額にはなり得ません。
同社の「新がん保険」や「スーパーがん保険」は死亡保険金の額が本人100万円や150万円(65歳まで)と高額な為、ある程度解約返戻金の貯まりが考えられます。
21世紀保険を解約する時の注意点
21世紀がん保険を解約する場合もいくつか注意点があります。
21世紀がん保険に特約MAXを契約している場合
まず先述しているように医療保障として「特約MAX」が付加された契約をしてる場合、主契約である21世紀がん保険を解約すれば当然医療保障も無くなります。
医療保障のみを残しておきたいという事はできませんので、再度医療保険が必要という場合は新たな医療保険をご検討ください。
がん保険の保証開始日(責任開始日)について
解約して新たながん保険(がん保障)に乗り換える場合ですが解約は解約請求書類を保険会社が受取った時点で保障が無くなります。
ただ新たながん保険は加入手続きから保障が開始されるまでの待ち期間が約3カ月(90日)あります。医療保険などのがん保障特約や三大疾病保険も同様です。
空白期間が出来る事をご自身が了承した上で手続きをする事は問題ありませんが、空白期間を作らずに乗り換えを希望する場合は2カ月ほど21世紀がん保険を継続するようにしてください。
保険料を半年払い、年払いしている場合
保険料を毎月払いではなく「半年払い」or「年払い」している場合は支払い期間の途中で解約したとしても未経過分の返金はありません。
具体的には年払い契約で年間保険料の支払が5月だった場合。6月に解約すると向こう10カ月分の保険料の返金はされないという事です。
年払い、半年払いの途中解約による未経過分の返金は
「平成22年(2010年)4月以降の契約の場合」
になるので21世紀がん保険で半年払いか年払い契約の方は全員途中解約での返金が無い点にご注意ください。
解約時の注意点に関しては以下での解説していますので良ければ是非ご確認ください。
このページのまとめ
21世紀がん保険の保障内容は、現行で発売されているがん保険と一見すると同じような保障が用意されていますが、細かく確認していくと支払条件や日数上限など注意する点が多数あります。
また具体的な見直し方法に関しても検討される方の契約状況やご要望によって大分見直しの方法が変わってくるかと考えます。
過去に販売されていたがん保険から最適な見直しをご自身のみで行うのは難しい可能性が高いのです。
事前の知識として当サイトを参考にしていただきつつ、実際の見直しはファイナンシャルプランナーや保険ショップの無料相談を是非有効にご活用ください。
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また確認したいがん保険が「21世紀がん保険」ではなく別のタイプという事であれば以下で過去に発売されていたアフラックのがん保険を全て紹介していますのでこちらも併せてご確認ください。