このページではアフラックのがん保険「がん保険フォルテ」の保障内容や具体的な見直し方法について解説していきます。
がん保険フォルテは2008年1月から2011年3月まで発売されていたアフラックのがん保険です。
アフラックのがん保険では「Days(デイズ)」シリーズが長く取り扱われていますが、その一つ前のモデルです。
それまでのアフラックのがん保険では「在宅療養給付金」として連続20日以上の入院後の在宅療養に対して退院時に一時金が給付される保障がありましたが、がん保険フォルテからは無くなっています。
がん保険フォルテの保障内容を詳しく知りたい。新しいがん保険に乗り換えるべきか判断したいという方に向けて詳細な保障内容と具体的な見直し方法を解説していきます。
がん保険フォルテの契約内容
がん保険フォルテは2007年9月より発売されており、微妙に保障内容が変わる形でがん保険フォルテ(〇〇プラン)と言う風に名称が異なるものが複数存在します。
当サイトでは代表的な「がん保険フォルテ トータルケアプラン300S(1倍)」を元に解説してきます。
がん保険フォルテ トータルケアプラン300S(1倍)の保障内容
保障内容 | 給付金額 |
---|---|
診断給付金 | 100万円 (上皮内新生物10万円) |
入院給付金 | 1万円 |
通院給付金 | 1万円 |
特定治療通院給付金 | 1万円 |
手術給付金 | 20万円 |
がん先進医療一時金 | 15万円 (1年に1回まで) |
がん先進医療給付金 | 限度額50万円 (1年に5回まで) |
ライフサポート年金 | 50万円×4年間 (がん診断後2年目~5年目まで) |
死亡保険金 | 10万円 |
死亡払戻金 | 10万円 (解約払戻金ありタイプのみ) |
保障期間は終身。保険料払込期間は終身に加え有期払いとなる60歳払い済みか65歳払い済みが選択できるようになっています。
各保障内容に関しては個別に解説していきます。
がん保険フォルテの保障内容の詳細
診断給付金について
初めてがん(=悪性新生物)または上皮内新生物と診断されたときに診断給付金がそれぞれ一回ずつ払われます。
がん(悪性新生物)の診断給付金額に対して上皮内新生物は10分の1となります。
支払回数はそれぞれ1回ずつなので、最初は上皮内新生物が見つかり診断給付金を受け取った後に2、3年後に悪性新生物が見つかった場合も診断給付金を受け取る事が可能です。
入院給付金について
入院給付金はがん、上皮内新生物による治療を目的とした入院に対して1日目から日数無制限にて給付金が支払われます。
通院給付金について
がん保険フォルテの通院給付金は連続5日以上の継続入院の後の治療を目的とした通院が支払い対象となります。
日数制限は連続5日以上の入院後から365日以内で最大60日期間となります。通算で700日が上限となります。
特定治療通院給付金について
通常の通院給付金とは別に「特定治療通院給付金」という形で通院を保障する仕組みが用意されています。
特定治療なので入院日数の有無は問わずがんの治療を目的とした次の3つが対象となります。
上記はがん(=悪性新生物)のみを対象に通算で120日間までが対象となります。
- がん(悪性新生物)のみ対象。上皮内新生物は対象外。
- 放射線治療、抗がん剤治療、ホルモン療法が対象。
- 経口投与による抗がん剤治療の通院は対象外。
- 手術の為の通院は対象外。
- 通院給付金と特定治療通院給付金は併用されずどちらかが適応。
手術給付金について
手術給付金はがん、上皮内新生物を対象として約款で定める所定の手術を対象に支払い回数無制限で一連の手術は14日間に一回となります。
所定の手術とは保険適応(公的保険制度=現役時に窓口3割負担)となるがん治療の為の手術が対象と判断して問題ありません。
また一連の手術とは最初に「A手術」を行い、その続きとして「B手術」を行う場合は連続する一連の手術とみなし、14日間以内では1回となります。
がん保険フォルテは放射線治療給付金が、手術給付金の中に含まれており悪性新生物根治放射線治療として50グレイ以上の照射を対象に60日に1回の間隔で回数無制限で保障されます。
定期的に放射線治療を実施する場合は約2か月に一回のペースで手術給付金から給付金を受け取れる仕組みになります。
なお放射線治療給付金の必要性や総線量(グレイ)についてはこちらでも解説していますので気になる方は是非ご確認ください。
がん先進医療特約について
がん保険フォルテ以降では「がん先進医療特約」としてがん治療による所定の先進医療を実施した場合には、一時金と自己負担にかかった技術料を保障する先進医療給付金の2つが組み込まれています。
がん先進医療一時金
がん先進医療給付金が支払われる先進医療を受けた時に一時金として1回15万円が1年に1回を限度に給付されます。
がん先進医療給付金
がん先進医療給付金は所定の先進医療を受けた時に技術料1回につき実費負担分の上限50万円までを保障するという仕組みです。
通算では700万円までが上限で、1年に5回までとなります。
がんの先進医療給付金の上限額が50万円で足りるのか?
と疑問に思われる方が非常に多いですが、実際には特定の先進医療特約に関してはこの上限額(50万円)が異なります。
- 固形がんに対する重粒子線治療(上限320万円)
- 悪性腫瘍に対する粒子線治療(上限290万円)
- 脊椎腫瘍に対する腫瘍脊椎骨全摘術(上限210万円)
- HLA抗原不一致血縁ドナーからのCD34陽性造血幹細胞移植(上限130万円)
なお、先進医療はあくまで厚生労働省の指定する先進医療が対象となり、同省の告示により2012年4月1日以降は「1」と「2」に変更されています。
参考アフラック公式:先進医療給付金等のお支払対象となる「先進医療」に関するお知らせ
このフォルテの先進医療特約給付金は保険証券や契約内容を確認する為のアフラックからの郵送物などでも
というような記載で間違いやすいですが、実際には高額な自己負担を必要とする重粒子治療などは上限額が異なります。
先進医療特約との違い
昨今の一般的な医療保険やがん保険の「先進医療特約」では自己負担した先進医療の技術料の全額が先進医療特約から支払われるケースがほとんどで通算2000万円まで保障という仕組みになります。
アフラック内では先進医療特約の重複契約ができず、がん保険フォルテの「がん先進医療特約」はアフラックの新たに医療保険やがん保険に「先進医療特約」を追加契約は不可となります。
ライフサポート年金について
がんの診断後に2年目から5年目までの合計4年間(2、3、4、5年)に生存している事を条件に1年につき50万円が給付される仕組みになります。
下のグラフはがんになった方の5年生存率を示していますが、診断年度が最近になるにつれて生存率も伸びている事がわかります。
出典国立がん研究センター:2016年「最新がん統計」がんと診断されてからの生存率
がんの治療期間等に関しては以下でも解説していますのでご確認ください。
死亡保険金について
がんを直接の原因として死亡した場合に死亡保険金として10万円が払われます。
死亡払戻金について
最終的にがん以外の病気やケガにて死亡した場合は「死亡払戻金」が給付されます。
※解約払戻金有りのタイプが対象となります。
特約MAX21について
がん保険フォルテには「特約MAX21」としてがん保険に医療保障を付加されているケースがあります。
特約MAX21の保障内容
特約MAX21は病気やケガの入院に対して1日5000円。1入院の日数限度は64日、124日、184日タイプのどれかである事が多いです。
手術給付金は内容に応じて5万円・10万円・20万円となります。
特約MAX21の詳細はこちらで解説しています。気になる方は合わせてご確認ください。
がん保険フォルテの見直し方法
ここからは具体的にがん保険フォルテの見直し方法について解説してきます。
がん保険として上皮内新生物も保障対象となったことからも他社を含めある程度現行のがん保険に近しいと言えるがん保険ではありますが主な見直し方法としては以下2つになります。
がん保険フォルテに保障を強化する場合
がん保険フォルテは最初から診断給付金や手術(放射線治療含む)、通院保障などが組み込まれていますがそれぞれの支払の条件や日数制限などもあり現行のがん保険と比べると一部劣る部分があります。
具体的には以下の3つの保障強化が考えられます。
- 通院治療を強化
- 抗がん剤治療を強化
- 先進医療を強化
通院治療を強化
がん保険フォルテは通常の通院給付金に特定治療通院給付金が組み込まれていますが支払条件や日数に制限があります。
通院給付金 | 特定治療通院給付金 | |
条件 | 連続5日以上の入院後の通院 | 放射線、抗がん剤、ホルモン療法の為の通院 |
日数 | 1通院最大30日間まで(通算700日) | 通算120日まで |
例えば、入院が3日で終了した場合は以後の通院に対して「通院給付金」は対象外となります。
また長期間に渡る通院治療を行う場合は上限日数をオーバーしてしまう可能性も考えられます。
昨今のがん保険では通院保障がより重要視されている傾向があります。
抗がん剤治療を強化
がんの代表的な治療として三大治療(手術、放射線、抗がん剤)が上げられ、がんを経験されている方の多くが三大治療を受けられていると言われています。
その為、昨今のがん保険では抗がん剤治療(ホルモン療法含む)のみに特化した保障を用意しているケースがあります。
がん保険フォルテでも特定治療通院給付金では「抗がん剤、ホルモン療法」による通院をサポートしています。
ただし「経口投与による抗がん剤の為の通院は除く」とあるため、口から投与する飲み薬は対象外となります。
抗がん剤、ホルモン療法に関しては必ずしも点滴等の「非経口投与」だけとも限りません。
がん保険における抗がん剤に関しては以下でも解説しています。
先進医療を強化
先述しているようにがん保険フォルテの先進医療給付金には上限(50万円)があります。
「重粒子治療」などは特定の先進医療として異なる上限額が指定されていますが先進医療自体は日々進化しています。
これらの部分の保障を強化するという事に関してアフラックでは過去のがん保険の契約中の方を対象としたオプション的ながん保険を販売しています。
プランも複数パターンに分かれ、現在契約中のがん保険やご要望に合わせた保障の強化が可能です。
現在のアフラックのがん保険を契約したまま、保障を強化する場合は是非ご確認ください。
がん保険フォルテから新たながん保険への乗り換えする場合
アフラックのがん保険に契約中の方は必ずしも同社内で見直しをしないといけないわけではありません。
がん保険は現在、各保険会社より多種多様なプランが用意されています。
当サイトでは独自の評価基準を元におすすめのがん保険をランキング形式にて紹介していますので良ければ是非ご確認ください。
特約MAX21の解約
状況にもよりますが、主契約であるがん保障部分は残して医療保障である特約MAX21のみを特約解約する事も可能です。
例えば、医療保険は別に準備出来ている場合や、三大疾病保障を強化する為に最新の医療保険への加入を希望する場合などは有効です。
がん保険フォルテの解約について
最終的にがん保険フォルテを解約する事になった場合にいくつか抑えておくべきポイントがあります。
がん保険フォルテの解約返戻金について
がん保険フォルテは似たような名称のプランが複数存在する為、一律で案内する事が難しいのですが大きく「解約返戻金ありタイプ」と「解約返戻金なしタイプ」が存在します。
解約返戻金ありタイプの場合は解約時に解約返戻金が戻ってくるケースがありますが、これは「死亡払戻金」部分の積立がそれに当たります。
死亡払戻金は10万円と少額なので解約返戻金もそこまで大きな金額にはなり得ません。
がん保険フォルテを解約する時の注意点
がん保険フォルテを解約する場合もいくつか注意点があります。
がん保険フォルテに特約MAX21を契約している場合
まず先述しているように医療保障として「特約MAX21」が付加された契約をしてる場合、主契約であるがん保険フォルテを解約すれば当然医療保障も無くなります。
医療保障のみを残しておきたいという事はできませんので、再度医療保険が必要という場合は新たな医療保険をご検討ください。
がん保険の保証開始日(責任開始日)について
解約して新たながん保険(がん保障)に乗り換える場合ですが解約は解約請求書類を保険会社が受取った時点で保障が無くなります。
ただ新たながん保険は加入手続きから保障が開始されるまでの待ち期間が約3カ月(90日)あります。医療保険などのがん保障特約や三大疾病保険も同様です。
空白期間が出来る事をご自身が了承した上で手続きをする事は問題ありませんが、空白期間を作らずに乗り換えを希望する場合は2カ月ほどがん保険フォルテを継続するようにしてください。
保険料を半年払い、年払いしている場合
保険料を毎月払いではなく「半年払い」or「年払い」している場合は支払い期間の途中で解約したとしても未経過分の返金はありません。
具体的には年払い契約で年間保険料の支払が5月だった場合。6月に解約すると向こう10カ月分の保険料の返金はされないという事です。
年払い、半年払いの途中解約による未経過分の返金は
「平成22年(2010年)4月以降の契約の場合」
になります。
解約時の注意点に関しては以下での解説していますので良ければ是非ご確認ください。
このページのまとめ
がん保険フォルテの保障内容は、アフラックのがん保険の中でも比較的新しいがん保険ですが、細かく確認していくと支払条件や日数上限など最新のがん保険とは異なるポイントもあります。
事前の知識として当サイトを参考にしていただきつつ、実際の見直しはファイナンシャルプランナーや保険ショップの無料相談を是非有効にご活用ください。
また確認したいがん保険が「がん保険フォルテ」ではなく別のタイプという事であれば以下で過去に発売されていたアフラックのがん保険を全て紹介していますのでこちらも併せてご確認ください。