あなたはがん保険を検討する際、保障内容に放射線治療を含めるかどうか迷われてはいませんでしょうか?
もしくは過去に加入したがん保険には放射線治療を保障する内容が明記されていない事から、新たながん保険への乗り換えを営業担当より提案されているかもしれません。
確かに現行のがん保険の場合ではがんの治療に対して給付金が払われるタイプが主流となっており「放射線治療給付金〇〇万円」と表記されているケースがほとんどです。
また昔のがん保険では放射線治療における総線量によって支払の有無が分かれるなど若干複雑な部分がある事も事実です。
そこでこのページではがん保険選びにおける放射線治療の必要性から保障内容全般、昔のがん保険の放射線治療の取り扱いについて解説していきます。
がん保険における放射線治療給付金の必要性
昨今のがんの治療は三大治療が主流となり、その3つは以下になります。
各ステージに対応した標準治療(科学的根拠に基づいて推奨される最適な治療)として、診療ガイドラインに示されています。
これに伴い各保険会社が販売するがん保険も従来の入院治療という一括りではなく上記の3大治療をサポートするタイプが多くなっています。
放射線治療も通院で行うケースが多い
出典 厚生労働省「患者調査 平成26年患者調査 上巻(全国) 年次 2014年」
と言うのも、これら三大治療が入院中にのみ行われるのであれば、がん入院給付金で対応できますが、グラフからもわかるようにがんの治療を行っている方は現在入院よりも通院の方が逆転している事が分かります。
放射線治療にしても入院中に行うだけでなく、通院による定期的な治療を行うケースも十分に想定されます。
放射線治療に必要な保障内容について
では放射線治療においてがん保険の保障内容はどのようになっているかという部分について、一般的な放射線治療給付金額と支払回数を解説していきます。
放射線治療の給付金額について
がん保険では一般的に入院一日に対して支払われる入院給付金日額を基本としてその他の治療にかかる保障金額を入院給付金日額の「〇〇倍」として規定されているケースが一般的です。
放射線治療給付金に関しては入院球菌日額の20倍であることが一般的で
入院給付金日額 | 放射線治療給付金額 |
5000円 | 1回10万円(5000円×20倍) |
1万円 | 1回20万円(1万円×20倍) |
といった内容になります。
因みに実際に放射線治療を行った場合の費用はどの程度かと質問される方もいますが、実際の費用は治療をする方の状態や治療方針によっても異なる為、具体的に幾らと定義する事ができません。
ただし「放射線治療」も公的医療保険制度の適応となる治療行為を指していますので対象となる方の年齢にもよりますが一般的には窓口での本人の自己負担は3割。
更に一カ月の治療費が高額になった場合には本人の自己負担金額には上限があります。
放射線治療における給付金額のみが幾ら必要かを算出する事はできませんが、あくまでその他、入院や通院、検査など保険診療にかかる治療行為との合算請求であり、自己負担には上限ある事を把握していただければと思います。
重粒子線治療や陽子線治療の場合は
なお放射線治療の技術の中には保険適応とならない「重粒子線治療」や「陽子線治療」があります。
重粒子線治療などは保険適応がされない事から自己負担額が約300万円前後とも言われていますがこちらは厚生労働大臣にて「先進医療」に指定されております。
医療保険やがん保険ではこうした公的医療保険制度が適応されない高額な自己負担を必要とする先進医療にかかる技術料をカバーするべく先進医療特約が用意されています。
その為、通常の放射線治療給付金にて重粒子線治療などを考慮する必要はありません。
放射線治療給付金の支払回数
次に放射線治療給付金の支払回数についてですが、こちらは一般的に放射線治療給付金の支払回数は無制限となっており、上限がありません。
ただし、ほとんどのがん保険や医療保険では60日(約2か月)に1回の間隔での支払と規定されています。
例えば、継続して放射線治療を行う場合でも当月に給付金を受け取った場合は、引き続き治療を行っている場合でも次の支払は翌々月という事になります。
放射線治療給付金が支払われる放射線量(総線量)グレイについて
放射線治療給付金が医療保険やがん保険の保障内容に表記され始めたのはおおよそ2011年頃からであり、それ以前に関しては放射線治療単体の記載がされていないケースが多いです。
ただし、保障内容に放射線治療の表記がされていないケースで、放射線治療を行った場合に給付金支払がされないかと言うと必ずしもそういう訳ではありません。
この場合は手術給付金の中に放射線治療給付金も含まれています。
医療保険で言うと対象手術が公的医療保険に連動した約1000種類以前の約88種類対応のタイプになります。
支払有無を分ける総線量50グレイ
ただし手術給付金に含まれるタイプには条件があり、その放射線治療における総線量(放射線量)が50グレイ以上である必要があります。
※「グレイ」とは吸収した放射線のエネルギー総量を表す単位です。
専門家ではない為、具体的な解説などはできませんが、昨今の医療技術の進歩により放射線治療においては必ずしも該当の50グレイに満たない治療となるケースも増えてきている事から保険会社各社では条件の撤廃があったものとされています。
アフラックのがん保険における放射線治療の場合
がん保険のパイオニアであるアフラックでは数年単位でがん保険のリニューアルがされていますが放射線治療の50グレイが廃止されたのは「生きるためのがん保険Days」以降からになります。
商品名 | 給付金に必要な総線量 |
がん保険 | 50グレイ以上 |
新がん保険 | |
スーパーがん保険 | |
がん定期保険 | |
21世紀がん保険がん保険[2000] | |
アフラックのがん保険f(フォルテ) | |
生きるためのがん保険Days以降~ | 条件無し |
このページのまとめ
がん保険における放射線治療の扱いに関しては各保険会社、保険商品単位で表示のされ方が微妙に異なる事もあり一見すると保障されてないかもと思われる事もあります。
詳しくは該当の約款やコールセンターにて確認する必要があります。
放射線治療を考慮した保険の見直しという場合は医療保険自体に放射線治療を保障できる事もありますので重複を避けてより合理的なプランニングを希望される場合には保険の専門家であるファイナンシャルプランナーや複数の保険商品を比較検討できる保険ショップで相談する事もおすすめです。
その他のがん保険の保障内容に関しても以下のページで各項目毎に必要性なども含めて解説しています。