がん保険に加入している人や、これから加入を検討されている方の質問に緩和ケア病棟などへの入院も支払いの対象になるのかと聞かれる事があります。
一般的にがん保険の入院給付金はがんの治療を直接の目的とした入院であることを条件として支払いの対象となります。
では緩和ケア等、ホスピスの場合はどうかと言うとこれらも当然がん治療の一貫して行われるものであれば入院給付金の支払対象となります。
ただしがんの治療が全く無い、療養や精神的なケアのみでは対象外となります。
そこでこのページではがん保険における終末期医療に関連した治療の支払有無とホスピスの費用目安について解説していきます。
がん保険の入院給付金が支払われる入院とは
先述しているようにがん保険の入院給付金は、責任開始日以後に診断確定された「がん」の治療を目的とした入院に対して支払われます。
これによりがん併発中の入院であっても、以下の場合はがん保険の入院給付金が払われないケースがあります。
緩和ケア病棟などへの入院の場合
では緩和ケア病棟などへの入院はどうかと言うと、こちらはがん治療の一環として緩和ケアが行われるのであればがん保険の入院給付金の支払対象となります。
ただし、緩和ケアでも全く治療を伴わない場合は対象外になります。
介護付き有料老人ホームなどの場合
次に、がん治療中の方が老人ホームなどへの入所の場合ですが、こちらは前提としてその施設が診療所や病院に定義されている医師の管理下にある必要があります。
つまり公的医療保険制度の対象である必要がありますが、介護施設などはこれに該当しない為、がん保険はもちろん医療保険もその入院が給付金の支払対象になる事は有りません。
ホスピスにかかる費用について
では、治療を目的としたホスピスなどはがん保険の支払対象になるわけですが、実際ホスピスにかかる費用はどの程度なのかという部分を確認していきます。
一般病棟での緩和ケアによる入院
総合病院等では一般病棟にて通常のがんの治療を受診しながら、同時に緩和ケアを受けることが可能です。
この場合は通常の診療報酬に「緩和ケア診療加算」が加算される仕組みになります。
「緩和ケア診療加算」は、1日400点(4,000円)の加算となります。
※3割負担で1200円/日。1割負担で400円/日。
緩和ケア病棟への入院
厚生労働省から承認を受けた「緩和ケア病棟」に入院して緩和ケアを受ける場合、医療費は治療の内容に関わらず定額制となります。
※平成28年度診療報酬で計算しています。
1日あたりの治療費定額は入院日数に応じて異なり以下のように区分されます。
1割負担の方 | 3割負担の方 | |
入院30日以内の場合 | 4,930円 | 14,790円 |
入院31日以上60日以内の期間の場合 | 4,400円 | 13,200円 |
入院61日以上の期間の場合 | 3,300円 | 9,900円 |
※平成28年度診療報酬で計算しています。
※端数処理は、10円未満四捨五入
その他に食事療養費や室料差額などの医療保険適用外の費用がかかります。
通院・訪問診療の場合
入院ではなく緩和ケア外来や診療所への通院。自宅に訪問診療や訪問看護に来てもらい緩和ケアを受けることも可能です。
医師や看護師が訪問する緩和ケアには公的医療保険制度の対象となり目安の概算としては以下になります。
週3回訪問 | 週5回訪問 | 1日2回・週5回訪問 | |
3割負担の方 | 36,000円程度 | 51,000円程度 | 84,000円程度 |
1割負担の方 | 12,000円程度 | 17,000円程度 | 28,000円程度 |
なお訪問看護含め、緩和ケアは医療保険の適応になることから当然「高額療養費制度」も対象になります。
これにより、1ヵ月の治療費が高額になった場合でも自己負担は一定額までになるという事をご理解ください。
高額療養費制度に関してはこちらでも紹介しています。
このページのまとめ
がん保険でも治療の為の緩和ケアであれば入院であれば当然支払対象になります。
また通院や訪問看護に関してもほとんどのがん保険は通院給付金の支払対象にしているケースがほとんどです。
ただしこれらは入院にせよ通院にせよ、その回数分に応じて給付金が支払われるものなので緩和ケアだとしても入院や通院の回数が少なければ十分な給付金が支払われない可能性も考えられます。
この辺りの治療の程度を柔軟に対応できるようながん保険となるとやはり診断当初にまとまった一時金を受け取れる診断給付金メインのがん保険などがおすすめになるかもしれません。
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その他のがん保険の保障内容に関しても以下のページで各項目毎に必要性なども含めて解説しています。