学資保険の契約時には想定もしていなかった方でも近年、離婚する家庭は少なくはありません。
離婚の際には当然、財産分与がありこれは離婚するまで夫婦で協力して貯めたお金や、共有財産を離婚時に分配します。
財産分与の中には現金以外にも、株券含む金融資産、保険も当然対象となるため、積立型の学資保険はもちろん財産分与の対象です。
とはいえ、学資保険の加入中に離婚による財産分与を行うタイミングではまだ積立途中であることが予想されますし、満期までもまだまだ積み立てる必要があるのではないでしょうか。
その状況下で例えば学資保険を途中解約する事は大きな元本割れに繋がり損をするのではないか?
そのまま離婚した旦那さんに契約を任せておいて問題ないのだろうか?
などなど学資保険はその商品特性上、財産分与の中でもその後の扱いをしっかりと考える必要がある項目だと考えます。
そこでこのページでは離婚後の学資保険の扱いについて紹介していきます。
学資保険は財産分与の対象になるか?
通常、学資保険の契約形態は契約者が両親(夫or妻)で被保険者(=保障の対象者)は子供です。
一見、子供の財産と勘違いされるケースもありますが、あくまで契約しているいずれか両親の給料などから掛け金を支払って積み立てをしている為、当然ですが財産分与の対象になります。
これは契約者が夫もしは妻のどちらでも個別の財産ではなく共有財産になります。
学資保険の正しい財産分与方法(分配)
では一般的な方法で学資保険を財産分与するとすれば契約途中でも解約して解約返戻金を保険会社より受け取り、夫婦で分配するになります。
途中解約による分配
ただし学資保険は契約時に指定した期間(お子さんの年齢が17歳や18歳)まで積み立てを行い払込終了後に満期金を受け取るという積立型の保険です。
商品にもよりますが、満期まで続ければ払込金額以上で満期金を多く受け取ることができますが積立期間中に途中解約をしてしまった場合はそれまで払い込んだ保険料よりも返戻金が少なくってしまいます。
所謂これを元本割れと言いますが、別に学資保険の契約継続が経済的な事情でないのであれば離婚したからと言って必ず解約する必要はありません。
夫がそのまま継続する場合
学資保険は子供の為のものなので、両親のいずれ方が継続させることが損がなくおすすめではあります。
そこで契約者である夫がそのまま学資保険の契約を継続する場合ですがこの時でも財産分与はして問題ありません。
離婚時点での解約返戻金の確認と分配
解約手続きをしなくても離婚時点での解約返戻金相当額を保険会社に確認することで照会するのは可能なので、一旦その時時点での額を財産分与します。
満期金受取時の注意点
一旦離婚時点で想定される解約返戻金相当額を財産分与した後は引き続き夫が契約者として、学資保険を継続し満期金受取時にお子さんの教育資金としてもらうわけですが、これにはいくつか問題があります。
そもそも離婚後も継続して契約を続けられるかというのが夫任せになるという問題がありますが、仮に満期まで契約を続けたとしても大きなハードルがあります。
それは満期金の受け取り手続き時に必要な書類が通常の銀行預金のようにキャッシュカードで済むわけではなく以下の書類が一般的に必要なります。
- 保険会社の請求書
- 被保険者(お子さん)の住民票
- 契約者の印鑑証明証
- 契約者の戸籍謄本
- 保険証券
上記は一般的に学資保険の満期時に必要であろう書類例であり、すべての保険会社に共通ではありません。
また離婚したからこれだけの書類が必要というわけではなく通常の契約で必要な書類となります。
離婚後、数年経過してもそれぞれの関係性が一定の繋がりを維持できていれば問題ないかもしれませんが、向こう数年から10年以上の期間で関係性を保てる保障はなく、更に煩わしい書類手続きを行うことに自信がない場合にはやはり途中解約か以後で紹介する契約者を妻に変更するという選択肢を考えます。
妻に契約者変更して継続する場合
折角お子さんの小さいうちから契約したのに途中解約は勿体ない。
ただしそのまま契約者を夫にしておいても契約を継続できるか更に満期時にちゃんと満期金を子供に渡してくれるかもわからない。
という事で学資保険の契約者を名義変更して妻が引き継ぐという方法を解説していきます。
払込時点ので返戻金の確認と分配
この場合でも旦那さんが継続する場合と同様に離婚時点まで支払ってきた学資保険は共有財産なのでその時時点の解約返戻金相当額を保険会社に確認して財産分与します。
契約者変更方法
なお学資保険の契約者変更をする場合にはあくまで現在の契約者が保険会社に申請して手続きをする必要があります。
離婚したからといって契約者ではない妻が保険会社に連絡しても手続きは完了しません。
離婚手続き中に相談して変更手続きが出来れば問題はありませんが、そこまで手が回らないという場合には「離婚公正証書」に契約者変更並びに手続きに協力することの約束を加えます。
また夫側も妻が、最終的な満期金を自分で使ってしまうというリスクを回避するために離婚公正証書に「学資保険の満期金を子供に使用する」の旨の記載を含めます。
契約を継続するのが難しい場合の対処方法
夫が学資保険の契約を継続するのが難しい可能性があるのと同様に奥様が契約者になったとしても経済的に契約し続けるのが困難になる可能性も考えられます。
離婚云々に限らず、学資保険は一定数、途中で断念してしまう家庭もありますが、冒頭お話しているように途中解約は結果的に元本割れの損を生みます。
学資保険の契約中に一時的にお金が必要になった場合には「契約者貸付制度」の利用や、以後の保険料の払込を停止する「払い済み扱い」。
一部解約ではありますが、減額手続きを取る事で毎月の保険料負担を軽減する事も可能です。
解約以外の対処方法については以下でも紹介していますので良ければ是非ご確認ください。
いずれにせよ、離婚などの生活環境の変化があった場合には支出の見直しなどを考える必要もあるかと思います。
学資保険の扱いを含めその他保険の名義変更や住所変更等も考えられます。
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これまで保険は配偶者に任せてしまっていて全くわからないという方には非常に強い味方になれる可能性もありますので是非積極的なご活用をご検討ください。